今後おさえていきたい物件契約書のポイント
コロナ禍の昨今、物件の動きがとても鈍い状況です。
給付金もそれなりに支給されることや、昨年で撤退案件が落ち着いたことが理由と思われます。
そんな中なので、今日は「撤退時のリスク軽減」について書かせて頂きます。
昨今、弊社クライアントでも撤退がいくつかありました。その一つにデベロッパーの管理物件があり、原状回復工事で坪単価100万円を超える提示をされました。。。結果的には40万/坪程度に抑えられましたが(それでも高いが…)、とにかく無駄と思える相当な時間と労力がかかりました。
デベロッパー案件の場合、建物を毀損する事なく現状回復したいということから、契約書では「原状回復工事は甲指定の業者」となっていることが多いです。よってデベロッパーお抱えの業者に依頼することになりますが、その業者が官公庁指定業者など高いステータスを持っている場合もあります。そうなると事前調査も作業工数も間に入る人も過剰をいえるほどに増え、法外な金額になってしまうケースがあります。
では、テナント側として、どのような対策が取れるのか?と問われれば、おそらく物件契約書の文言を下記のように変更してもらうのが良いかと思います。
「現状回復工事は、竣工時の工事区分と同様に、Bは甲指定の業者、Cは乙指定の業者が行うものとする」
これは理屈が正しいので比較的通しやすい内容かと思います。
大手チェーンの開発有識者に伺っても「今はその考えが一般化しつつある」とのことでした。
もし上記で話が通らなければ「甲の業者指定であっても区分によっては甲乙協議」という表現なら了承を得やすいかと思います。
そもそも、デベロッパー案件に出店しないという選択もあるかもしれませんが、デベロッパー案件はブランドが守られるという利点もあり、ブランド構築が行いやすく、集客力もあったりします。
物件は、全て条件が揃うことはないので、どこか妥協しながらですが、リスクを理解し、適度にリスク回避した上で出店していきたいものです。