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物件は「申込み順で決まる」と思った方がよいです

あるロードサイド物件の仲介した時の話です。

物件は、そのクライアントの業態や出店戦略、造作物から鑑みて非常にフィットした物件だったように思えました。もちろん開発担当者の方も、同じように感じていました。

しかし申込書ではなく、その手前を意味する意向書を提出されました。理由は「造作物が実際に動くか?稼働確認が必要」「役員会が月1回あり、経済条件を含めた承認が取れた上で申込したい」とのことでした。

上場企業ということもあり物件には多くの手順を踏まなければならないようで、その間約1か月。。。そうこうしているうちに、貸主から「他から申込書が入ったため、そちらは見送らせて頂きたい」との一報が入りました。理由は別のテナントが社長直々に内見を行い、その場で契約意思を出し、翌日申込書が入ったとのことでした。

結局その上場企業は、出店の機会を失いました。

 

次は商業施設リーシングを行なった時の話です。

ある区画に40社ほどアプローチさせて頂き、内見4社、申込み3社入りました。その中で選ばれたのは、資料送付翌日にご連絡を頂き、すぐ内見希望をされ、一番手で申込された会社でした。物件募集をする立場としては、申込を頂けることは単純に嬉しいことです。特に最初の申込書者に対しては印象が良いです。貸主側も申込者を積極的に調べたり早々に既存店に伺ったりするので、ちょっとした情愛が生まれるのは確かです。従って複数のエントリー選考で甲乙つけにくい場合はやはり申込順となる傾向が強いです。

 

最後に、一方で居住用の賃貸・売買物件はどうか?これはもう完全に申込順になります。申込書が入れば、自動的に保証会社の審査、その審査が通ればほぼ内定というフローです。

 

借りる側の与信やブランド力は大事ですが、物件側の立場としては、それ以上に契約するか否かの方がもっと重要です。ですからスピード勝負だと考えておいて間違いないかと思います。

 

弊社では、本当に逃せない物件に対しては、申込書をもって内見をし、悪くなければその場で申込書を提出する流れを、クライアントに推奨しています。

先日、美容系の個人開業者においても、資金調達に時間がかかるハンデをスピードで補う必要があることを理解して頂き、申込書を持参してもらって内見時に申込書を提出しました。そのことが高い意志として管理会社に響いたのか、他のエントリーを受け付けることなく貸主に進言して頂き、無事に契約することができました。また弊社自身でも、事務所移転をおこなった際は、同様に申込書を持参した上で内見を行い、その場て提出して契約に至りました。

 

物件開発をする際に、申込書提出のスピードは最も重要なポイントの一つだと思います。

 

物件は「申込み順で決まる」と思った方がよいです。